労働基準法に反する労働時間の端数処理のリスク

2014-10-05

社会保険労務士丸山事務所 (町田社会保険労務士) 社労士インフォメーション

 

労働基準法に反する労働時間の端数処理のリスク

 

インターネット上では未払い賃金請求のサイトが乱立し、実際に当事務所でも数多くの相談を受けています。

 

労働時間の端数処理が労働基準法違反の場合は、労働審判や訴訟によらずに労働基準監督署からの支払命令等が出されることから、労働者も容易に未払い賃金を請求できる状況にもなっています。

 

賃金の未払に関しては、これまで問題なかったから大丈夫と思われている事業主さんも多いと思われますが、監督署から2年間に遡って支払うように命じられる高額になってしまいますので、リスクを低減するために会社としても監督署に申告(104条申告※)される前に確認する必要があります。

 

労働基準法第104条(監督機関に対する申告)

1.事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。

2.使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。

 

 

労働時間 9時00から18時00分(所定労働時間8時間00分)、月の労働日数 22日 として 時給1,000円の従業員が毎日18時20分にタイムカードを打刻して帰宅している場合を例として考えてみます。

 

30分未満の切り捨て処理を行った場合

8時間00分×22日=176時間

 

労働基準法に違反のないような処理を行った場合

8時間20分×22日=約183時間20分 1月の労働時間の合計の30分未満は切り捨てると183時間となります。

 

183時間-176時間=7時間 (1月の労働時間の差)

7時間×1,000円=7,000円 (その月に実際に支払われなければならなかった賃金)

7,000円×1.25(時間外割増率)=8,750

8,750円×24月(2年間分)=210,000円(2年間の未払い賃金(時間外残業代)の総額)

請求される金額は、210,000円となります。

 

一日20分くらい切り捨てても大したことはない」と思われていたかもしれませんが、2年間遡って請求されると未払い賃金とされる金額は210,000円となり思った以上に高額になってしまいます。

また、監督署の立ち入りが行われた場合は、従業員の全てについて見直されますので直ぐに数百万円になってしまいます。

 

このようなことになってしまいますと、厳しい状況で経営をおこなっている会社にとっては死活問題になりかねません。

 

少しでも心配に思われましたら早めに確認をすることをお勧めします。

 

 

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