労働者派遣事業関係業務取扱要領の改正内容ポイント3

2015-10-21

社会保険労務士丸山事務所 (町田社会保険労務士) 社労士インフォメーション

事業所ごとの情報提供(労働者派遣事業関係業務取扱要領記載122P~)

派遣元事業主は、労働者派遣事業を行う事業所ごとの派遣労働者の数、労働者派遣の役務の提供を受けた者の数、労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を当該労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合、教育訓練に関する事項など、あらかじめ関係者に対して知らせることが適当である事項について情報の提供を行わなければならない(法第23条第5項)。

 

これによって、派遣元事業主の透明性を確保し、派遣労働者による派遣元事業主の適切な選択や派遣労働者の待遇改善等に資することが期待される。

 

・毎事業年度終了後、可能な限り速やかに前年度分の実績を公表することが必要。

・マージン率は、当該事業所が行っている労働者派遣の全業務・全派遣労働者の平均値を計算すればよいが、情報公開を積極的に進める観点から、派遣元事業主の判断により、追加的に情報提供することも可能。

・情報提供は、派遣労働者による派遣元事業主の適切な選択等に資するよう、マージン率だけではなく、教育訓練に関する事項やその他労働者派遣事業の業務に関し参考となると認められる事項等も含めて総合的に判断できるような形で行うことが重要。

 

(2) 情報提供すべき事項 (労働者派遣事業関係業務取扱要領122P~)

派遣元事業主が事業所ごとに情報提供すべき事項は、次のとおりである(法第23条第5項、則第18条の2第3項)。

イ 派遣労働者の数

(イ)

直近の数が望ましいが、直近の「6月1日現在の状況報告」で報告した事業所ごとの派遣労働者の数でも差し支えない。

(ロ)

情報提供にあたっては、「α年6月1日付け派遣労働者数β人」と記載する等、時点及び単位がわかるようにすること。

 ロ 労働者派遣の役務の提供を受けた者の数

(イ)

直近の数が望ましいが、直近の「事業報告書」の派遣先事業所数でも差し支えない。

(ロ)

情報提供にあたっては、「α年度   派遣先事業所数(実数)β件」と記載する等、時点及び単位等がわかるようにすること。

 ハ 労働者派遣に関する料金の額の平均額

(イ)

直近の労働者派遣に関する料金の額の平均額(当該事業所における派遣労働者1人1日(8時間)当たりの労働者派遣に関する料金の平均額。また、小数点以下の端数が生じた場合には、四捨五入のうえ表記すること。)が望ましいが、直近の「事業報告書」に記載した派遣料金とすることでも差し支えない。

(ロ)

情報提供にあたっては、「α年度労働者派遣に関する料金の額の平均額β円」と記載する等、時点がわかるようにするとともに、事業報告で報告したすべての業務についても記載する等、単位等についてもわかるようにすること。

 ニ 派遣労働者の賃金の額の平均額

(イ)

派遣労働者の賃金の平均額(当該事業所における派遣労働者の1人1日(8時間)当たりの賃金の額の平均額。また、小数点以下の端数が生じた場合には、四捨五入のうえ表記すること。)が望ましい。ただし、個別に算出する代わりに直近の「事業報告書」に記載した派遣労働者の賃金の額とすることでも差し支えない。

(ロ)

情報提供にあたっては、「α年度労派遣労働者の賃金の額の平均額β円」と記載する等、時点がわかるようにするとともに、事業報告で報告したすべての業務についても記載する等、単位等についてもわかるようにすること。

 ホ いわゆる「マージン率」の計算方法

労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を当該労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合(以下「マージン率」という。)

(イ)

前事業年度に係る労働者派遣事業を行う事業所ごとの労働者派遣に関する料金の額の平均額(当該事業年度における派遣労働者1人1日(8時間)当たりの労働者派遣に関する料金の平均額。)から派遣労働者の賃金の額の平均額(当該事業年度における派遣労働者1人1日(8時間)当たりの派遣労働者の賃金の額の平均額。)を控除した額を当該労働者派遣に関する料金の平均額で除すことにより算出すること。なお、百分率(%)表記にした場合に、小数点以下の端数が生じた場合には、これを四捨五入すること(則第18条の2第2項)。

(ロ)

労働者派遣に関する料金の額の平均額及び派遣労働者の賃金の額の平均額については、加重平均による。例えば、3名の派遣労働者を雇用している場合であって、労働者派遣に関する料金の額が1万円・1万円・3万円であるときは、1万円と3万円の単純平均とするのではなく、1万円の派遣労働者が2名いることを加味した加重平均の計算の考えによること。単純平均(1万円+3万円)÷2=15,000円   加重平均(1万円×2+3万円×1)÷(2+1)=16,666円

(ハ)

ただし、直近の「事業報告書」の「派遣料金」及び「派遣労働者の賃金」を元に算出する場合は上記(ロ)の限りではない。

(ニ)

情報提供にあたっては(ハ)によって算出した場合は「α-1年度マージン率の平均θ%」と事業報告で報告したすべての業務についても記載することが望ましい。また、時点及び単位、マージン率に含めている教育訓練に要する経費、福利厚生費、社会保険料等の事項についても示す、派遣労働者が自社のいわゆるマージン率について理解しやすくすることが望ましい。

(ホ)

マージン率の算定は事業所単位が基本であるが、当該事業所が労働者派遣事業を行う他の事業所と一体的な経営を行っている場合には、その範囲内で算定することも妨げないこと(則第18条の2第2項)。「一体的な経営」とは、例えば、一定の地域に所在する複数の事業所で共通経費の処理を行っており、事業所ごとに経費が按分されていないような場合などが該当すること。

 

(3) 情報提供の方法等  (労働者派遣事業関係業務取扱要領124P~)

(イ)

情報提供の方法は、事業所への書類の備付け、インターネットの利用その他の適切な方法により行うこととする(則第18条の2第1項)。なお、派遣元指針により、マージン率の情報提供に当たっては、常時インターネットの利用により広く関係者、とりわけ派遣労働者に必要な情報を提供することを原則とすることとされているので留意すること。「その他の適切な方法」としては、例えば、パンフレットの作成や人材サービス総合サイトの活用等が考えられるが、情報提供の趣旨に鑑みて適切な方法によることが必要である。なお、人材サービス総合サイトについては、上記のインターネットの利用が原則とされていることにかんがみ、自社でホームページを有していない場合等については積極的に活用することが望ましい。

(ロ)

情報提供は、少なくとも、毎事業年度終了後可能な限り速やかに前年度分の実績を公表することが必要であるが、情報公開を積極的に進める観点から、派遣元事業主の判断により、当年度分の実績を追加的に情報提供することとしても差し支えない。

(ハ)

マージン率は、当該事業所が行っている労働者派遣の全業務・全派遣労働者の平均値を計算すればよいが、情報公開を積極的に進める観点から、派遣元事業主の判断により、詳細な計算結果を追加的に情報提供することとしても差し支えない。

(ニ)

情報提供は、派遣労働者による派遣元事業主の適切な選択等に資するよう、マージン率だけではなく、教育訓練に関する事項やその他労働者派遣事業の業務に関し参考となると認められる事項等も含めて総合的に判断できるような形で行うことが重要である。

(ホ)

派遣元事業主は、関係者からの情報提供の求めがあった場合には、これに応じる義務があるのは当然である。

 

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