未払賃金の立替払制度

2015-04-06

 

社会保険労務士丸山事務所 (町田社会保険労務士) 社労士インフォメーション

 

未払い残業代を立替払制度で請求しました。

各パンフレット等で、立替払される賃金は「定期賃金」とされていますので、基本給のみと思え有れるかもしれませんが、資料が揃えば残業代の請求も可能ですし、個人で請求することも可能です。

 今回の案件は、弁護士経由の依頼で、なおかつ依頼者本人が遠隔地居住で複雑ですので省略します。 

 

「未払賃金立替払制度」とは

企業倒産により賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、未払賃金の一部を立替払する制度です。

 

未払賃金の立替払制度の概要

 1.要件

(1)事業主に係る要件

 ①労災保険の適用事業の事業主、かつ、1年以上事業を実施

 ②倒産したこと

  ア法律上の倒産

   破産手続開始の決定(破産法)、特別清算手続開始の命令(会社法)、

   再生手続開始の決定(民事再生法)、更生手続開始の決定(会社更生法)

  イ事実上の倒産(中小企業事業主のみ)

   事業活動停止、再開見込みなし、賃金支払能力なし

   (労働基準監督署長の認定手続きが必要になる)

  ※中小企業事業主とは、以下のいずれかに該当する事業主をいう

  ・資本金の額等が3億円以下又は労働者数が300人以下で、以下の業種以外の業種

  ・資本金の額等が1億円以下又は労働者数が100人以下の卸売業

  ・資本金の額等が5千万円以下又は労働者数が100人以下のサービス業

  ・資本金の額等が5千万円以下又は労働者数が50人以下の小売業

(2)労働者に係る要件

 ①破産手続開始等の申立て(事実上の倒産の認定申請)の6か月前の日から2年間に退職

 ②未払賃金額等について、法律上の倒産の場合には、破産管財人等が証明(事実上の倒産の場合には、労働基準監督署長が確認)

 ③破産手続開始の決定等(事実上の倒産の認定)の日の翌日から2年以内に立替払請求

 

 6月前の日と破産申立日(認定申請日)の関係

月の途中で退職した場合15日退職の場合6か月後の15日となり月末退職の場合、上図のように6月後の月末で8月31日に退職した方は2月28日になります。(応当日)

2.立替払の対象となる賃金

 退職日の6か月前から立替払請求日の前日までに支払期日が到来している未払賃金

  (定期給与と退職金(ボーナスは含まず。)。ただし、総額2万円未満のときは対象外。)

 

未払賃金立替払制度の概要(厚生労働省hp)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shinsai_rousaihoshouseido/tatekae/index.html

〔参考〕立替払の対象となる「未払賃金」の例

3.立替払の額

未払賃金総額の8割(限度あり)

4.申立ての様式

独立行政法人労働者健康福祉機構 (破産管財人用)

未払賃金の立替払請求書

未払賃金の立替払事業様 式第8号

証明書

未払賃金の立替払事業 様式第7号
労働基準監督署 (労働者(従業員)申請用)

確認申請書

未払賃金の立替払事業 様式第4号

 

5.破産管財人に認定されなかった場合

未払残業代請求・破産手続終了・申請期間徒過 等により破産管財人に認定されなかった場合には労働基準監督署の認定になります。

 

監督署の認定に必要なもの

● 免許書のコピー(生年月日が証明できるもの)

● 退職日のわかるもの

辞表、出勤簿等 等

委任状があれば雇用保険被保険者資格喪失確認通知書の再交付が可能

再交付申請には本人の身分証明書が必要

(免許書のコピーを事前にもらっておく必要がある。)

● 給与体系がわかるもの

給与明細書

雇入れ通知書

就業規則 等

● その他、必要な情報

職位

職務内容

外出の有無

・ 出勤簿等が添付されている場合、会社が認めてものか、メモ書きかでも対応が異なると思われます。

・ (営業職や外回り、現場監督等の場合 見込残業が支払われると監督官口癖)

司法とは異なり、メモ書きは信用しない。上記の事情と合わせ考えると認定したくないとの考えが働いているようで、仮に就業規則が提出されていて、その中に「みなし残業代」の文言があった場合は、認定は難しいと思われます。

・ 残業命令者

・ 残業の現認者等の状況も確認されます。

 

 

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