労働保険の適用対象者

 

労災保険の適用対象者

1 原則として常用、日雇、パート、アルバイト等、名称及び雇用形態にかかわらず、労働の対価として賃金をうけるすべての労働者が対象となります。

ただし、船員保険の被保険者は、労災保険の対象労働者とはなりません。

 

2 法人の役員(取締役等)

労災保険

適用者とならない者

適用者となる者

株式会社

1.代表取締役(旧商法第261条)            2.定款又は取締役会の決定による業務執行取締役(旧商法第260条)                      3.監査役(旧商法第276条) 1. 左記の1及び2以外の取締役で業務執行取締役の指揮監督を受けて労働に従事し、その労働の対価として賃金を一般の労働者と同一条件で支払を受ける者。                              2. 監査役の場合、上記1の取締役と同様の労働実態にある者。

有限会社

1.全ての取締役                      2.監査役 1. 代表取締役以外の取締役で、定款、社員総会、或いは取締役の過半数をもって、業務執行を除外された者であって、業務執行取締役の指揮監督を受けて労働に従事し、労働の対価として賃金を一般の労働者と同一の条件で支払を受ける者。            2. 監査役の場合、上記1の取締役と同様の労働実態にある者。

合名会社

1.全ての社員(旧商法第70条・76条) 1. 定款により、業務執行を除外された社員で、業務執行社員の指揮監督を受けて労働に従事し、労働の対価として賃金を一般の労働者と同一の条件で支払を受ける者。

合資会社

1.全ての無限責任社員(旧商法第151条) 1. 有限責任社員                     2. 定款により、除外された無限責任社員で、業務執行社員の指揮監督を受けて労働に従事し、労働の対価として賃金を一般の労働者と同一の条件で支払を受ける者。
その他 1.その他の法人及び法人格のない社団等の代表者 1. 業務執行を除外された者で、規約、実態から労働関係にあると認められる者。

 

3 事業主と同居している親族

同居の親族は、原則として労災保険法上の「労働者」には該当しませんが、同居の親族以外の労働者を常時使用する事業にあっては、一般事務又は現場作業等に従事し、かつ次の要件を満たす者は労災保険法上の「労働者」として取扱われます。

 

1.業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確な場合。

2.就労の実態が当該事業場における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われている場合。

 

上記1.2の判断基準

(イ)始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等

(ロ)賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切及び支払の時期等

上記(イ)(ロ)が就業規則その他これに準ずるものの定めにより、他の労働者と同様に取り扱われている場合。

 

4 出向労働者

出向労働者は出向先事業の組織に組み入れられ、出向先事業主の指揮監督を受けて労働に従事する者であり、出向先事業場で適用されます。(賃金については、出向元で支払われる分についても出向先に含めて計算してください。)

 

雇用保険の適用対象者

 

1 原則として雇用保険の適用事業場に雇用される労働者は、原則として被保険者となります。

ただし、次に掲げる労働者については、 雇用保険の適用はありません。

1.雇用保険日雇労働被保険者とならない日雇労働者

2.4か月以内の期間を予定して行われる季節的事業に雇用される者

3.昼間アルバイト学生及び臨時内職的に雇用される者

 

2 労働者性を有する使用人兼務役員の雇用保険の適用

取締役等の役員は一般的に雇用保険の適用はありませんが下記の該当する場合は雇用保険の対象となる場合があります。

役員であって同時に従業性を有している人のことを、使用人兼務役員といいます。

使用人兼務役員は、会社の役員であって、同時に支店長や工場長など従業員としての身分も有している者のことをいいます。

このような人で、役員であっても労働者としての性格が強い使用人兼務役員であると判断された場合、その者は雇用保険の被保険者になることができます。

この時の判断基準については法律等で明確ではありませんが、ハローワークの業務取扱要領・職業安定行政手引により定められている以下の基準に基づき総合的に判断されます。

役員報酬と賃金の支給割合

使用人兼務役員には、一般的に、役員報酬と賃金の両方の支払いが支給されています。

この支給された金銭の比率が、役員報酬と比べて賃金ほうが多く支払われている場合は、役員よりも従業員としての役割・業務負担が大きい者であると判断されます。

他の労働者と同じ取り扱い

労働者性を有している使用人兼務役員であることを判断するうえでは、勤怠を管理されることや就業規則等の適用が他の労働者と同じであるかどうかということが挙げられます。

おおよその基準は労災保険の適用があるかで判断できると思います。

                                                      

3 出向労働者

出向元と出向先の2つに雇用関係を有する出向労働者のように、同時に2つ以上の雇用関係にある労働者は、その者が生計を維持するのに必要な主たる賃金を受けているほうの雇用関係についてのみ被保険者となります。

 

 

短時間就労者・派遣労働者の雇用保険の適用範囲

その者の労働時間、賃金その他の労働条件が就業規則等において明確に定められていると認められる場合で、 次のいずれにも該当する時に限り被保険者となります。

1. 31日以上の雇用見込みがあること

2. 1週間の所定労働時間が20時間以上であること

 

「31日以上の雇用見込みがあること」とは・・・

31日以上雇用が継続しないことが明確である場合を除き、この要件に該当することとなります。

例えば、次の場合には、雇用契約期間が31日未満であっても、原則として、31日以上の雇用が見込まれるものとして、雇用保険が適用されることとなります。

 

・ 雇用契約に更新する場合がある旨の規定があり31日未満での雇止めの明示がないとき

・ 雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績があるとき

 

4月1日以後における取扱いは以下のとおりとなります

・ 雇用契約期間が31日以上ある方(雇用契約期間の定めのない方も含みます。)

・ 雇用契約期間が31日以上であるため、雇入れ時から適用されます。

・ 雇用契約期間が31日未満の方

・ 雇用契約期間が31日未満であっても、31日以上雇用が継続しないことが明らかである場合を除き、雇入れ時から適用されます。

 

雇用保険の適用の関しては、所定労働時間が20時間以上です。

1日4時間・週4日のとしてパートさんを雇用している場合に残業等で1週間の実労働時間が20時間を超えてしまった場合は該当しません。

雇用保険の適用に限らず、有給休暇の付与日数にも影響しますので、契約に際しては所定労働時間をどのように決定するかは注意が必要です。

 

※パートタイム労働者とは、1週間の所定労働時間が、同じ事業所に雇用される正規型従業員よりも短い人をいいます。

 

注意

事業主から雇用保険料を天引きされていたことが給与明細等の書類により確認された方については、2年を超えて雇用保険の遡及適用が可能となっています。

 

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