専門業務型裁量労働制3

みなし労働時間

専門業務型裁量労働制において労使協定で定める時間、(みなし労働時間)は、対象業務の遂行に必要とされる時間を1日当たりの労働時間として定める必要があり、1日以外の期間、の労働時間として定めることはできません。

専門業務型裁量労働制に係る労働時間のみなしに関する規定は、労働基準法第4章の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間の算定について適用されるものです。

労働基準法第6章の年少者及び同法第6章の2の女性に関する規定における労働時間の算定には適用されません。

労働基準法第66条の規定により、妊産婦からの請求があった場合は、使用者は実際の労働時間が1日8時間及び1週40時間を超えないように労働させなければなりません。

労働時間のみなしに関する規定が適用される場合でも休憩、深夜業、休日、年次有給休暇などの規定は排除されません。

① 時間外労働

みなし労働時間が法定労働時間(1日8時間・1週間40時間が原則)を超える場合

時間外労働になりますので、使用者は労働基準法第36条第1項の協定(時間外労働協定)を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出た上で、法定労働時間を超えた部分の時間に対しては、同法第37条第1項により2割5分増以上の割増賃金を支払う必要があります。

② 休日労働

みなし労働時間制が適用になる場合

労働基準法第35条の休日(法定休日)の規定は適用されます。

使用者は同法第36条第1項の協定(休日労働協定)を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出た上で、対象労働者が法定休日(毎週1回又は4週4日の休日)に労働した場合

労働基準法第37条第1項により、その日の労働に応じた3割5分増以上割増賃金を支払う必要があります。

③ 深夜業

みなし労働時間制の対象労働者が

午前10時から午後5時までの深夜に労働した場合

労働基準法第37条第4項が適用され

現実にこの時間帯に労働した時間に応じた2割5分増以上の割増賃金を支払う必要があります。

④ 休憩時間

使用者は労働基準法第34条の規定により

みなし労働時間が6時間を超え8時間までであれば45分以上

8時間を超える場合には1時間以上の休憩時間を与る必要があります。

 

注)対象労働者に所定の休憩時間を指示することは労働時間の配分についての指示となりますので、可能な限り所定の時間に休むようにさせ、その時間に休めなければ別の時間帯に休憩をとるようにさせる必要があります。

 

対象業務を遂行する手段、時間配分の決定等に関し、対象労働者に対し使用者が具体的な指示をしないこと

労使協定には

対象業務を遂行する手段、時間配分の決定等に関し、対象労働者に具体的な指示をしない

旨を締結する必要があります。

 

対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じて実施する健康・福祉を確保するための措置の具体的内容

健康・福祉確保措置としては、次のものが考えられます。

把握した対象労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、代償休日又は特別な休暇を付与すること

把握した対象労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、健康診断を実施すること

働き過ぎの防止の観点から、年次有給休暇についてまとまった日数連続して取得す

ることを含めてその取得を促進すること

心とからだの健康問題についての相談窓口を設置すること

把握した対象労働者の勤務状況及びその健康状態に配慮し、必要な場合には適切な

部署に配置転換すること

働き過ぎによる健康障害防止の観点から、必要に応じて、産業医等による助言、指

導を受け、又は対象労働者に産業医等による保健指導を受けさせること

 

これらの健康・福祉確保措置を使用者がどのように講ずるかを労使協定で明確にする必要があります。

 

これについては対象労働者の勤務状況の把握方法を具体的に明らかにし、対象労働者がいかなる時間帯にどの程度の時間在社し、労務を提供し得る状態にあったか等を明らかにし得る出退勤時刻又は入退室時刻の記録等による方法であることが望ましいとされています。

 

 対象となる労働者からの苦情処理のために実施する措置の具体的内容

労使協定で定める苦情処理措置についてはその内容を具体的に明らかにすること

苦情の申出の窓口及び担当者、取り扱う苦情の範囲、処理の手順・方法等を明らかにすることが望ましいとされています。

使用者や人事担当者以外の者を申出の窓口とすること等の工夫

対象労働者が苦情を申し出やすい仕組み等の工夫

取り扱う苦情の範囲については

対象労働者に適用される評価制度、賃金制度等専門業務型裁量労働制に付随する事項に関する苦情も含むこと

等をおこなうことが望ましいとされています。

 

有効期間

労使協定の有効期間については、適切に本制度を運用するため、3年以内とすることが望ましいとされています。

 

記録の保存

次の事項の記録については、労使協定の有効期問中と有効期間満了後3年間保存しなければならず、このことを労使協定に定めておく必要がある事項。

対象労働者の労働時間の状況

対象労働者の健康・福祉確保措置の状況

対象労働者からの苦情処理措置の状況

 

その他 労使協定が望ましい事項

みなし労働時間制の対象労働者に対して講ずることが望ましいとされる措置

労働時間の状況に応じた健康・福祉確保措置を講ずる必要があること

健康・福祉確保措置又は苦情処理措置と併せて事後措置も設けること

出退勤時刻の管理をすること

裁量労働制適用の中止に関する事項

を労使協定することが望ましいとされています。