60歳からの在職老齢年金
~働きながら年金を受ける年金が止まる?~
60歳から70歳になるまでの間に、厚生年金保険に加入しながら、または、70歳以上で厚生年金保険の適用事業所に勤めながら老齢厚生年金を受けるときは、年金額と賃金+賞与に応じて、年金額の一部または全部が支給停止になります。
60歳以上で老齢厚生年金を受けている場合は年金が止まるかもしれませんので確認してみてください。
60歳から65歳になるまでの在職老齢年金
老齢厚生年金の年額を12月で除した額を受けるときは、基本月額(年金額を12か月で除した額)と総報酬月額相当額〔毎月の賃金(標準報酬月額)」と「1年間の賞与(標準賞与額)の合計を12か月で除した額」〕に応じた額が支給停止されます。
基本月額
老齢厚生年金の年額を12か月で除した額
老齢厚生年金が年額で1,200,000円の場合
例 1,200,000円÷12月=100,000円(基本月額)
総報酬月額相当額
毎月の賃金(標準報酬月額)+1年間の賞与(標準賞与額)の合計を12か月で除した額
毎月の賃金が月給215,000円の場合下表より標準報酬月額は220,000円
27年の4月に年金を貰う場合
26年の夏と26年の冬のボーナス
例 (400,000円+500,000円)÷12月=75,000円 (標準賞与額)(1,000円未満切捨て)
27年の8月に年金を貰う場合
26年の冬と27年の夏のボーナスとなります。
例 (500,000円+300,000円)÷12月=66,000円 (標準賞与額)(1,000円未満切捨て)
27年4月に年金を貰う場合
は220,000円(標準報酬月額)+75,000円(標準賞与額)=295,000円
総報酬月額相当額は295,000円となります。
標準報酬月額
標準報酬月額は賃金に基づいて次の区分によって定められています。
標準賞与額
標準賞与額は、賞与を受けた月の賞与額に基づいて、1,000円未満の端数を切り捨てた額が、その月における標準賞与額とされます。
標準賞与額は、賞与額が1,500,000円を超えるときは、1,500,000円とされます。
基本月額と総報酬月額相当額を下記に当てはめて該当する計算式で計算します。
今回の場合
基本月額は75,000円で総報酬月額相当額は295,000円ですので②の式で計算します。
基本月額と総報酬月額が280,000円以下の場合 ①
基本月額が280,000円以下で総報酬月額相当額が460,000円以下の場合 ②
基本月額が280,000円以下で総報酬月額相当額が460,000円以上の場合 ③
基本月額が280,000円以上で総報酬月額相当額が460,000円以下の場合 ④
基本月額が280,000円以上で総報酬月額相当額が460,000円以上の場合 ⑤
●60歳から65歳になるまで在職老齢年金(支給月額)早見表(厚生年金基金加入者を除く)
〈厚生年金基金の加入期間がある場合〉
厚生年金基金に加入している期間がある場合は、厚生年金基金に加入しなかったと仮定して計算した老齢厚生年金の年金額をもとに基本月額を算出します。また、支給停止額が老齢厚生年金と基金代行部分をあわせた額を超える場合は加給年金額が支給停止になりますが、基金代行部分の一部でも支払われる場合は加給年金額が支払われます。
〈加給年金額が加算されている場合〉
老齢厚生年金に加給年金額が加算されている場合は、加給年金額を含めないで支給停止額の計算を行います。 60歳から65歳になるまでは老齢厚生年金の全額が支給停止になる場合に、また、65歳からは老齢厚生年金の報酬比例部分の全額が支給停止になる場合に、加給年金額が支給停止されます。
〈雇用保険法による高年齢雇用継続給付を受けている場合〉
65歳になるまでの間、老齢厚生年金と雇用保険法による高年齢雇用継続給付を同時に受けられる方は、まず、在職老齢年金のしくみにより支給停止され、さらに、高年齢雇用継続給付を受給したことによる支給停止が行われます。
高年齢雇用継続給付の給付額に応じて、最高で賃金(標準報酬月額)の6%に相当する額の停止が行われます(在職老齢年金のしくみによる停止がない場合でも高年齢雇用継続給付を受けることによる支給停止は行われます)。
なお、高年齢雇用継続給付を受けることによる老齢厚生年金の支給停止が行われる方は、平成10年4月1日以降に老齢厚生年金の受給権が発生した方です。