就業規則の記載事項

就業規則の記載事項

 

労働基準法では、就業規則に記載すべき事項を次のように定めています。

(労基法第89条)

(1)絶対的必要記載事項(必ず就業規則に記載しなければならない事項)

① 始業及び終業時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

休暇には、育児休業や介護休業も含みます。
いわゆる育児・介護休業法による育児休業や介護休業は、休暇に含まれるものであり、育児休業や介護休業の対象となる労働者の範囲等の付与条件、育児休業や介護休業取得に必要な手続き、休業期間について、就業規則に記載しなければなりません。(平3.12.20基発712号、平11.3.31基発168号)

② 賃金(臨時の賃金等を除く。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期及び昇給に関する事項

労働基準法施行規則第8条では
法第24条第2項 但書の規定による臨時に支払われる賃金、賞与に準ずるものは次に掲げるものとする。
「1箇月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当」(1号)
「1箇月を超える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当」(2号)
「1箇月を超える期間にわたる事由によって算定される奨励加給又は能率手当」(3号)
が定められています。

③ 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

「退職に関する事項」には、
定年制や再雇用制、死亡や休職期間満了などの労使当事者の意思によらない事由
労働者と使用者の合意による事由
労働者の一方的意思表示による事由
使用者の一方的意思表示による事由
有期契約の場合であれば期間満了による終了等の事由
をすべて記載する必要があります。

(2)相対的必要記載事項(定めをする場合に記載しなければならない事項)

① 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

退職手当額の算定方法および一時金で支払うのか年金で支払うのか等の支払方法を記載しなければならないとされています。(昭63.1.1基発1号、平11.3.31基発168号)
退職手当について不支給事由または減額事由を設ける場合には就業規則に記載する必要があるとされています。(昭63.1.1基発1号、平11.3.31基発168号)
退職金制度がある場合は、
労働者の範囲
支給額
支給時期
などを規定しておかなければなりません。
中小企業退職金共済制度等の社外積立退職金制度もここでいう退職手当にあたるものと解されています。(昭63.3.14基発150号)

② 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

労働基準法施行規則第8条では
法第24条第2項 但書の規定による臨時に支払われる賃金、賞与に準ずるものは次に掲げるものとする。
「1箇月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当」(1号)
「1箇月を超える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当」(2号)
「1箇月を超える期間にわたる事由によって算定される奨励加給又は能率手当」(3号)
が定められています。

③ 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

食費、作業用品、社宅費、共済組合などを負担させる場合は、
負担額
負担の方法
を定める必要があるとされています。(行政解釈)

④ 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

労働安全衛生法施行令および労働安全衛生規則等に定められている事項のうち
当該事業場に必要な事項の細目
これらの法令等に定められていなくても当該事業場の安全衛生上必要なもの
等の記載が必要とされています。(行政解釈)

⑤ 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

行うべき職業訓練の種類
訓練に係る職種等訓練の内容
訓練期間、訓練を受けることができる者の資格等
職業訓練中の労働者に対し特別の権利義務を設定する場合にはそれに関する事項
訓練終了者に対し特別の処遇をする場合にはそれに関する事項等
とされています。(昭44.11.24基発776号)

⑥ 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

災害補償に関しては、
労働基準法または労働者災害補償保険法を上回る補償を行う場合においては、これに関する定め等が考えられるとされています。(行政解釈)
業務外の傷病扶助に関しては、
当該事業場が健康保険法または厚生年金保険法の適用を受ける場合には
これらの法律で定める給付等以外
これらを補充する扶助に関する規定
これらの法律の適用を受けない場合には
使用者が自主的に行う扶助に関する規定等
が考えられるとされています。(行政解釈)

⑦ 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

「表彰」に関しては、
表彰の事由
方法
時期
手続等
を記載することが考えられます。
制裁」に関しては、
けん責・減給・出勤停止・昇給の停止・昇格の停止・降格・降職・懲戒解雇等の制裁種類
程度
制裁事由
懲戒の手続がある場合は、その手続き
について具体的に定めなければなりません。

⑧ 前号各号に揚げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

会社において旅費に関する一般的規程を作る場合。(昭25.1.20基収3751号、平11.3.31基発168号)
人事考課規程、秘密保持規程なども該当します。

(3)任意的記載事項

法令に定められた記載事項ではなく、記載するか否かが自由な事項

就業規則の目的、社是、慶弔見舞金、社会保険の適用、規則改訂の手続きなどが該当します。

労働基準法では、就業規則に記載すべき事項以外にも下記協定の届出も定められています。

 

労使協定一覧

名 称

用 途

有効期間(要否)

監督署届出(要否)

根拠

1ヶ月単位の変形労働時間制に関する協定
(注1)

1ヶ月を平均して1週40(44)時間勤務にする場合(就業規則等に定める場合を除く)

労働基準法
第32条の2

1年単位の変形労働時間制に関する協定

1年を平均して1週40時間勤務にする場合

労働基準法
第32条の4

時間外・休日労働に関する協定

残業、休日出勤をさせる場合(上限時間) (36協定)

労働基準法
第36条

事業場外労働に関する協定

事業場外勤務を1日8時間超に設定する場合

労働基準法
第38条の2

専門業務型裁量労働制に関する協定

システム開発等の裁量労働を導入する場合(職種限定)

労働基準法
第38条の3

企画業務型裁量労働制に関する決議届

ホワイトカラーの裁量労働を導入する場合

労働基準法
第38条の4

貯蓄金の管理に関する協定

賃金控除して社内積立てする場合

×

労働基準法
第18条

1週間単位の非定型変形労働時間制に関する協定

1週間を平均して40時間勤務とする場合(業種限定)

×

労働基準法
第32条の5

フレックスタイム制に関する協定

フレックスタイム制を適用する場合

×

×

労働基準法
第32条の3

賃金控除に関する協定

法定控除以外の賃金控除する場合 (組合費、食費・・など)

×

×

労働基準法
第24条

一斉休憩の適用除外に関する協定

交代制の休憩を適用する場合

×

×

労働基準法
第34条

計画年休に関する協定

年休を計画的に消化させる場合

×

×

労働基準法
第39条

代替休暇に関する協定

月60時間超の残業に代替休暇を与える場合

×

×

労働基準法
第37条

時間単位年休に関する協定

年休を1時間単位で消化する場合

×

×

労働基準法
第39条

育児休業、時間外免除、短時間勤務の適用除外に関する協定

育児休業等の適用除外を設ける場合

×

×

育児介護休業法
第6条、
第16条の8、
第23条

介護休業の適用除外に関する協定

介護休業の適用除外を設ける場合

×

×

育児介護休業法
第12条

看護休暇、介護休暇の適用除外に関する協定

看護・介護休暇の適用除外を設ける場合

×

×

育児介護休業法
第16条の3.
第16条の6

高齢者の継続雇用に関する協定

定年後継続雇用に関する基準を定める場合
(平25年3月31日までに締結)

×

×

高年齡雇用安定法
第9条

(注1)

週40時間制が適用されない事業場

週の法定労働時間

商業(卸・小売業)、理・美容業、倉庫業、等、映画・演劇業、病院、診療所等の保健衛生業、社会福祉施設、接客・娯楽業、飲食店等で、
常時使用する労働者(パート・アルバイトを含む。以下同じ。)が10名未満のもの

週44時間

 

特例措置対象事業場に該当するもの

業種

卸売業、小売業、理美容業、倉庫業、駐車場業、不動産管理業、
出版業(印刷部門を除く。)その他の商業

商業

映画の映写、演劇、その他興業の事業
(映画製作・ビデオ製作の事業を除く。)

映画・演劇業

病院、診療所、保育園、老人ホーム等の社会福祉施設、
浴場業(個室付き浴場業を除く。)、その他の保健衛生業

保健衛生業

旅館、飲食店、ゴルフ場、公園・遊園地、その他の接客娯楽業

接客娯楽業

 

週44時間制を適用できる制度

1箇月単位の変形労働時間制及びフレックスタイム制を採用することはできます。

週44時間制を適用できない制度(制度を採用する場合週40時間以内としなければなりません)

1年単位の変形労働時間制及び1週間単位の非定型的変形労働時間制
(満18歳未満の年少者にはこの特例は適用されませんので、週40時間以内の労働のみ可能です)

週44時間採用する場合の例

1日の所定労働時間の短縮(週休1日制)する方法
1日の所定労働時間を7時間20分以下として6日労働する方法
1日の所定労働時間を1週のうち5日を8時間、残り1日を4時間労働とする方法

1か月単位の変形労働時間制を採用する方法

1日の所定労働時間を8時間として隔週週休2日制とする方法
営業時間に合わせて1か月間の交替制カレンダーを作成し、週所定労働時間を、1か月を平均して44時間以下とします。
就業規則またはこれに準ずるものにその旨定めるか、労使協定を締結し、労働基準監督署長に届け出ることが必要です。

 

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