就業規則の作成義務

就業規則の作成義務

 

就業規則作成から周知までの手順

 

1 就業規則の作成と届出

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、労基法89条に掲げる事項についで就業規則を作成し、行政官庁(所轄の労働基準監督署長)に届け出なければなりません(同法89条本文前段、労基則49条1項)。同法89条に掲げる事項を変更した場合においても同様です。(同法89条本文後段、労基則49条1項)

平成10年の労基法改正で、委任規定を別規程として作成することも可能になりました。
平成10年の労基法改正で、委任規定を別規程として作成することも可能になりました。
この場合、別規程もあくまで就業規則の一部であり「賃金規程」「退職金規程」「育児・介護休業規程」等が、労基法89条が定める「就業規則」に該当すれば、同条に基づく作成義務や届出義務は別規程にも及び、就業規則の労働基準監督署への届出や効力・周知義務についても同様となります。

  就業規則の作成・変更・届出の時期

使用者は、常時10人以上の労働者を使用するに至った場合においては、「遅滞なく」、労基法89条の規定による就業規則を作成し、これを所轄労基署長に届出なければなりません。(労基則49条1項)
すでに存在する就業規則を変更した場合にも同様です。(労基法89条)

常時10人未満の小規模な会社であっても、労働者を使用する使用者は、就業規則を成文化することが望ましいとされています。(行政解釈)

  就業規則の作成義務違反・届出義務違反等に対する罰則

労基法89条に基づく就業規則の作成義務または届出義務に違反した場合には30万円以下の罰金が科されます。(労基法第120条第1号)

実態が変更されたにも関わらず就業規則を変更しなかったり、変更しても届出を怠った場合についても同様です。

 

2 労働者代表等からの意見聴取

使用者が、就業規則(案)を作成したら、労働者代表等から意見を聴取しなければなりません。この場合の労働者代表等とは、「労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては、労働者の過半数を代表する者(労基法第90条第1項)。」となります。

過半数で組織する労働組合とは、労働基準法の適用単位である事業場単位でみることになりますので、事業場に過半数で組織する労働組合がある場合には、その労働組合の意見を聴取すればよいことになります。事業場に過半数で組織する労働組合がない場合は、従業員の中から過半数代表者を選出して、その代表者から意見聴取をしなければなりません。

 

3 所轄労働基準監督署長へ届出

次の手続きは、所轄の労働基準監督署長への届出になります。届出には、就業規則本体の他に労働者代表等の「意見書」を添付します。

労働基準監督署へは原本を提出し、それ以外に会社の控えも必要になりますので、併せて2部を用意して持参します。
(助成金申請等の必要がある場合は2部以上用意することもあります。)
(36協定の提出に際しても2部を用意し持参します。)

変更の届出の場合には、就業規則の全文ではなく、変更した条項についてのみ、新旧の対照表などを作成して届出ることで差し支えありません。

一定の要件を満たせばフロッピーディスク等の電子媒体によって行うことも可能とされていました(平11.3.18基発125号)が、就業規則等の届出として受理する電子媒体は、要件を満たすものであることとされ平成25年4月27日よりフロッピーディスクによる届出ができなくなりました。

意見書については、就業規則のようにフロッピーディスク等の電子媒体により添付することはできません。

労基法90条2項に定める意見書については、従来どおり書面によることが必要とされています。(平11.3.18基発125号)

 

4 事業所における周知(配布、掲示、備付等)

労働基準法第106条第1項は、「使用者は、この法律及びこの法律に基づいて発する命令の趣旨並びに就業規則を、常時各作業場の見易い場所に掲示し、又は備え付ける等の方法によって、労働者に周知させなければならないと定めています。

労基則52条の2

①  常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること「作業場」とは、事業場内において密接な関連のもとに作業の行われている個々の現場をいい、主として建物別等によって判定すべきものであるとされています。(昭23.4.5基発535号)

②  書面を労働者に交付すること。
「書面」とは、印刷物・複写した書面も含まれるとされています。(平11.1.29基発45号)

③  磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ.各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。

磁気テープ等によって周知を行う場合には、就業規則の内容を磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、当該記録の内容を電子的デー夕として取り出し常時確認できるよう、各作業場にパーソナルコンピュータ等機器を設置し、かつ、労働者に当該機器の操作の権限を与えるとともに、その操作の方法を労働者に周知させることにより、労働者が必要なときに容易に当該記録を確認できるようにすることとされています。(平11.1.29基発45号)

 

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